東京ディズニーランドのシンボルであるシンデレラ城は、単なる美しい建物ではなく、映画製作のプロたちが仕掛けた「魔法」と、ウォルト・ディズニーへの想いが詰まった驚きの建築物です。
その魅力を、トピックに分けてご紹介します。
魔法の仕掛け
シンデレラ城の高さは51メートルで、ビルに例えると約16〜17階建てに相当します。
実はこれ、ディズニーシーのプロメテウス火山と同じ高さなのですが、ある特殊な技法によってそれ以上に大きく見えるよう設計されています。
強化遠近法
建物の石垣や窓、扉のサイズを上に行くほど小さく作っています。
これにより、見上げた時に実際よりもはるかに高く、遠くにあるように錯覚させる「映画セット」の技術が使われているのです。
• 色のマジック
屋根には青などの後退色(寒色系)が塗られています。
後退色は実際よりも遠くにあるように見える効果があり、手前の緑(前進色)との対比で、
お城がより壮大に、遠くにそびえ立っているように感じさせます。
51メートルの秘密
なぜ中途半端な高さなのかというと、
航空法により、
「これ以上高くすると**赤いランプ(航空障害灯)を設置しなければならない」からです。
夢の世界観を守るため、ランプが不要なギリギリの高さで建てられました。
シンデレラ城のモデル
特定の一つの城を忠実に再現したものではなく、
複数の実在するヨーロッパの建築、特にフランスの城や宮殿をモデルに設計されています。
主なモデルとされているお城や建築物はフランスの城(宮殿)です。
シンデレラ城のデザインに強い影響を与えたとされるフランスの城には、以下のようなものがあります。
- ユッセ城
- シャンボール城
- シュノンソー城
- ブロワ城
- アンボワーズ城
- ショーモン城
- フォンテーヌブロー宮殿
- ヴェルサイユ宮殿
これら複数の城の要素を組み合わせることで、より豪華で細部まで凝ったデザインが作り上げられました。
「ノイシュヴァンシュタイン城」との違い
よく「ドイツのノイシュヴァンシュタイン城がモデル」という噂がありますが、
実際にはこのお城は「眠れる森の美女の城(オーロラ城)」のモデルであるとされています。
シンデレラ城は、それよりも後にデザインされたため、より多くの建築様式を取り入れた複雑な造りになっています。
映画のセットとしての設計思想
シンデレラ城が特定のお城の完全な複製ではない大きな理由は、その設計思想にあります。
ディズニーの城は「本物を作ってその中に入り込む」のではなく、
「非常にレベルの高い映画のセットを作り、その中で映画の主人公になった気持ちで遊ぶ」ことを目的としています。
そのため、実在の建築物を参考にしつつも、以下のようないわゆる
「ハイクオリティなハリボテ建築」としての魔法がかけられています。
シンデレラ城はフランスの優雅な古城たちのエッセンスを凝縮し、
そこに映画製作の視覚トリックを加えた、
「現実よりも本物らしく見える」魔法のハイブリッド建築と言えます。
ウォルト・ディズニーの想い
お城のディテールには、創始者ウォルトへの敬意が込められています。
金色の塔
シンデレラ城の最上部にある金色の塔は、フランスなどのヨーロッパの城や寺院建築からヒントを得たものです。
これはウォルト・ディズニーがアナハイムの「眠れる森の美女の城」を作った際に設けた
小さな金色の塔を非常に気に入っていたため、
シンデレラ城でも最も目立つ塔に採用されました。
この金色の塔の色は、ウォルトがアナハイムのお城を作った際に非常に気に入っていた色でした。
1983年のオープン直前に亡くなった彼が
「天国からでも東京ディズニーランドを見つけられるように」
という願いを込めて金色に塗られたとも言われています。
ディズニー家の紋章:
城の正面と裏側の入り口上部には、3匹の獅子が描かれた「ディズニー家の紋章」が飾られています。
城内に隠された「本物」と「秘密」
お城の中には、マニア心をくすぐる仕掛けや歴史があります。
本物のダイヤ
城内の通路にあるイタリアガラスのモザイク壁画には、
1箇所だけ本物のダイヤモンドが埋め込まれています。
そのダイヤに触れると幸せになれるという都市伝説もあります。
なぜレストランがないの?
フロリダのお城にはレストランがありますが、東京にはありません。
これは、東京ディズニーランドが埋立地にあり、
レストラン用の食材を運ぶための地下トンネルを作るコストが膨大だったため、
代わりにアトラクション(かつての「ミステリーツアー」)が作られたという裏事情があります。
午後限定の隠れミッキー
晴れた日の午後、お城の周りにある柵の影が地面に落ちると、
特定の時間だけ綺麗なミッキーの形が現れるよう設計されています。
楽しみ方の変化
シンデレラ城は時代とともに役割を変えています。
かつては「怖すぎる」場所だった?
2006年まで、悪役たちが主役の「シンデレラ城ミステリーツアー」という歩行型アトラクションがありました。
これは1985年公開された映画「コルドロン」をモチーフとしたアトラクションです。
世界のディズニーパークには存在せず、東京ディズニーランドにのみ存在していたアトラクションの一つでした。
このツアーでは、シンデレラ城の中でシンデレラの物語を辿っている途中からヴィランズの巣窟へ導かれ、最後には魔王ホーンドキングと戦う勇者をゲストの中から1人選ぶ演出があり人気でした。
しかし、ツアー中は薄暗い中で恐ろしい声や演出が続くため、当時の子どもたちにとっては「TDLで一番怖い場所」としても有名でした。
現在はプリンセスの世界へ
今は「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」として、映画の世界を体験できる施設になっています。
こちらは、シンデレラとプリンス・チャーミングが結婚したあと、シンデレラ城の中を開放し、物語にまつわるさまざまな作品を展示し公開しているというアトラクションです。
美しい8枚の絵画やジオラマ、フェアリーゴットマザーがときどき現れる仕掛けもあり、シャンデリアが輝く豪華な大広間にはガラスの靴や王座などもあり人気のフォトスポットとなっています。
また、壁にある特定の絵をフラッシュを焚いて撮影すると、目には見えなかった「魔法の粉(ピクシーダスト)」が写真にだけ写り込む不思議な魔法の仕掛けがあります。
ぜひともフラッシュ撮影で素敵な写真を撮ってみてください。
結婚式も挙げられる
2012年からは「ディズニー・ロイヤルドリーム・ウェディング」というプログラムが始まりました。
これは、シンデレラ城で挙式ができる、1日1組限定の究極のウェディングプランで、実際にお城でセレモニーを行い、その後ヴィークル(オープンカー)に乗り、ゲストや一般のパーク来園者から祝福を受けながらプラザを一周するというプランです。
本物のシンデレラのように永遠の愛を誓うことができ大変人気でしたが、残念ながら現在はサービスを終了しています。
このように、シンデレラ城は「映画の主人公になった気分で遊ぶ」というディズニーの思想が、建築技術と情熱によって形にされた究極のエンターテインメントなのです。
さいごに
ディズニーが大好きな方なら知っている内容は多かったと思いますが、いかがだったでしょうか?
今回のシンデレラ城の話を含めて、ディズニーの仕掛けを知るたびに
ディズニーからファンタジーをたくさん生み出すためには
様々な文化や自然をたくさん学んでいくことで
更に時代とともに技術も加わりファンタジーが生まれると感じられます。
見えない細部まで、こだわりや演出を惜しまないウォルト・ディズニーの想いがいつまでも
続いていることが、素晴らしいですよね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。


コメント